息子はまだ未成年なのですが、彼女を妊娠させてしまったようです。もちろん、親としてはまだまだ自立出来ていない息子や彼女を結婚させたくないですし、子供もおろして欲しいのですが、どうやら彼女の方が産みたいと言っているようです。息子にはある程度説得して言い聞かせる事が出来たのですが、彼女へは息子がいくら言っても聞かないようであります。このような場合、産むという選択肢しか残されていないのでしょうか?

対策@息子が彼女を妊娠させた

厚生生労働省の統計によると、2008年に日本で行われた人工妊娠中絶は242,292件で15〜49歳女子人口に対する比率は0.88%、出生100に対する中絶数の比率は22.2件(全妊娠のおよそ5人に1人弱)だそうです。過去に遡ると、1955年に約117万件(全妊娠のおよそ2.5人に1人)、1965年に約84万件(全妊娠のおよそ3人に1人)、1980年に約60万件(全妊娠のおよそ3.5人に1人)、1990年に約46万件(全妊娠のおよそ3.5人に1人)、2000年に約34万件(全妊娠のおよそ4.5人に1人)となっております。

一般に中絶というと未婚若年者のイメージが強いと思うのですが、妊娠者が中絶を実施する割合は10歳代と並んで40歳代が7割近くと極めて高いようです。1975年頃には、10歳代の妊娠でも出産の割合が過半数なのに対し、40歳代では9割近くが中絶と、さらにその傾向が強いようです。ただし絶対数では妊娠者自体の多さから20〜30歳代が大半を占め、また、日本では他国に比べて中絶者に占める既婚者の割合が高い特徴があり主流な避妊方法の違いとも相まって産児調節の一端を担ってきたことが窺えるようです。

中絶手術は妊娠5-21週目まで受けることができ、胎児の大きさによって手術方法が変わるようです。初期中絶手術ができるのは妊娠5-11週頃までで、妊娠5週目では胎児が小さく手術を行わない病院が多いため、実際には妊娠6-7週まで待ってから手術を受けることになるようです。妊娠11週でも胎児の大きさによっては初期手術ができない場合もあります。

初期手術を考えている方はなるべく早めに診察を受け、決断する必要があります。妊娠11-12週を過ぎると、中期中絶となります。初期の麻酔をかけた手術とは違い、人工的に陣痛を起こして『出産』することになり役所への死産届や火葬が必要になります(戸籍には残りません)妊娠21週目まで手術可能ですが、胎児の大きさによっては手術できない場合もあります。病院によっては、中期中絶手術を行わないところもあります。22週を超えた場合、胎児は保育器などで生存できる可能性がありますので、中絶手術を受けることはできません。22週を超えた胎児を中絶することは、違法であり犯罪になります。

対策A息子が彼女を妊娠させ中絶

わが国は妊娠中絶問題においては先進国であり、前記にもありましたように、出生100に対する中絶数の比率は22.2と、全妊娠の5人に1人は中絶を選んでいる状況であります。もちろん年代別に見た場合、その年代によって理由は様々ではありますが、特に今回相談を頂いておりますような、若いカップルの妊娠については、まだまだ成長段階である、二十歳前後の男女が定職についていなかったり、人間として成長段階である事を不安な要素として感じられていると思います。

10代〜20代という年代は、性に一番興味を持つ時期でもあり、その性欲を上手くコントロール出来ないという事からもこのような結果になってしまうのでしょう。しかし、それらが理由として大人が意見をしたところで、中々当事者達には理解が出来ず、難しい問題になってしまいます。女性には母性本能というものが働きますそれは年齢に関わらず「自分が必要」だと相手から強く感じてしまう事により、本能として働くものであり、

※結婚する相手(旦那)が居ない
※収入が不安定
※親や回りの皆から反対される
※将来的にやりたい事がある

これらの理由があったとしても、「母性本能」を感じてしまう事でその人のために尽くそう、頑張ろうというエネルギーに変わってしまい、中絶という方向で考える事が致しません。それらが皆そう働いているという訳でありませんが、若い女性といえども、妊娠した時点で「母性本能」母親としての自覚みたいなものが目覚めてしまいます。息子の彼女が妊娠したけど、おろしてほしい・・・このような親の声がなかなか届かないという事はこういった理由があり、難しい問題なのでしょう。

対策B息子の彼女が妊娠したけど、おろしてほしい〜

息子が彼女を妊娠させてしまった、彼女が妊娠したけど、どうしてもおろしてほしい・・・理由は様々だと思いますが、若いカップルにとって、早くから子供を授かるという事は、生まれてくる子供のためにも、若い2人のためにも望ましくない事が考えられます。

※若さゆえに育児を放棄してしまう
※回りの協力を得られないため、母親がノイローゼ気味になってしまう
※収入が不安定になり、子供へ十分な食事を提供できない
※精神年齢の低さから、子供に当たってしまう。

このような理由から、中々回りから協力を得る事が出来なかったり、妊娠した事を素直に喜べないようです。しかし、果たして若い男女が子供を授かる事が本当に悪いのでしょうか?人は皆色々な事を経験し、失敗をし、成長をしていきます。若いカップルが子供を授かり色々な壁にぶつかったり、失敗したりする事から、自身を成長するキッカケになる事もあるのではないでしょうか?「子供が子供を育てられるのか?」このような台詞を聞いた事もあります。確かにまだまだ未熟な男女である事は間違い無いと思います、しかし、いつになったら子供を生む事が出来る大人になれるのでしょうか?その辺りは年齢だけで判断は出来ないでしょうし、このラインまで出来れば合格といったものもないでしょう。

若い息子さんや娘さんをもたれているお父さんお母さんは、世間一般的な年頃(30前後)での結婚を望みます。もちろん、それは誰しもが求める事であり、本来であればそうあるべきだと思います。しかし、この世に誕生した大切な生命を、簡単に「おろしてほしい」「中絶してほしい」というのはやはり、どうかと思います。年齢が若いイコール中絶、今、日本ではこのような事が日常茶飯事に起きてしまっているのではないでしょうか?日本の法律上、妊娠してから21週までの中絶が認められております。

対策C息子が彼女を妊娠させた、おろす前に・・・

若年者の望まない妊娠を防ぐ方法はきわめて乏しいといわねばなりません。ひととおりの性教育は行われるようになりましたが、とても十分といえるものではありません。

たとえば、コンドームの正しい装着法や使用法を教えられたことがない、という人の方が多いと思います。また、危険日の計算法を知らないという人の方が多いのです。正しい知識を普及していく必要があります。次に避妊手段へのアクセスの問題です。お店でコンドームを買うことに恥ずかしさを感じるのは、女性だけではありません。特に未成年の男性では、「勇気がいる」という方も少なくありません。一時、「子どもがお菓子の自販機と間違えて困る」というわけのわからない理由で撤去を余儀なくされていたコンドームの自販機。最近になって復活してきましたが、地域によってはほとんどありません。コンドームを買うことの恥ずかしさのために、無避妊で性交渉をもってしまう。その結果妊娠してしまうというケースは、他の年代ではほとんど見られない十代の特色です。

ヨーロッパ諸国の施設では、未成年者にコンドームを無償で配布していることがあります(自由に持って帰れる)。避妊手段そのものについても問題があります。コンドームによる避妊失敗は、若年者において際だって高くなっています。性的経験の乏しい男女にとって、コンドームによる避妊は適したものとはいえないのです。ピルはむしろ若年者にこそ適した避妊法ということができます。事実、欧米諸国ではピルによる避妊は若年者の間で盛んです。ヨーロッパ諸国で相談にきた若いカップルに勧められるのは、コンドームではなくピルでしょう。

日本でのピル使用者は、20代後半以後の女性に偏っており、欧米とは好対照をなしています。これは若年層がピルにアクセスし難いようにしているからにほかなりません。年齢に関係なく濃密な検査を課し、その負担を本人に求めるのであれば、若い女性がピルを敬遠するのは当然のことといえます。

このように、若い男女が望ましくないタイミングに妊娠をしてしまう事への考えは、年代別によっても様々であります。もちろん、双方の意見や考え、あと「宗教」の絡みも出てくる場合もありますが、そもそも、性教育において、事前に若い男女に対して、国がこのような問題にもっと真剣に取り組まなければならないのではないでしょうか?コンドームの装着法は何故教えないのでしょうか。男性にとって避妊法の種類よりも、コンドームの装着法の方が大切な情報ではないかと思えます。性教育の内容には、共通性とともに個別性という視点が必要なように思います。

性教育の方法についても同じ事が言えます。「習った記憶はあるけど、その時は興味がなかった」といわれる方が多くいます。無理からぬ事だと思うのです。だれでも現実の必要に迫られてなければ、教えられた知識は身に付かないでしょう。現実の必要に迫られたときに学習の機会が準備されていることは、若い人たちにとって非常に重要なことのように思います。日本の中絶の多さは、社会的サポート体制の不備に一因があり、特に若年層に対するサポートが決定的に立ち後れているように思われます。